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弟に移植してやれなかった肝臓で他の誰かを救う事ができて、使命を果たした男・渡辺拓海はようやく本来の姿で馬場純へと戻り、やはり本来果たすべきだったもう一つの使命――刑務所での贖罪を始める。そんな壮大で悲しい物語でしたが、最後のその馬場純を逮捕したのが因縁の斎藤涼介だったというのがいいですね。彼もまた大きな苦しみを抱えながら生きてきたわけで、その斎藤が出した「貴方を許さないが、貴方も私の父親を許さなくていい」という答えも好きでした。ディーン・フジオカさんと井浦新さんのどちらも演技が上手いので、静かなシーンでも見ごたえがあって面白かったです。

ディーンさん演じる馬場純と、井浦さん演じる被害者の検察官との関係性に考えさせられるものがありました。馬場純を憎んで追いかければ追いかけるほど、馬場純のとても真面目で人間想いな人柄が見えてしまい、憎むに憎みきれない。馬場純は何も悪いことはしていない。家族を守ろうとし犯罪者になり（しかもどう考えても正当防衛）、親友のために生き、身分を捨てて血の繋がっていない娘のために生きた。ただ、犯罪者という事実は消えない。被害者と加害者、完全に和解することはできないにしても、二人の心が少しでも救われたらよいなと、ラストシーンを見て感じました。

純の犯した罪は決して許されないことです。それを償わなければなりません。でも、もし、涼介の父親太が、純の母親を騙さなければ、純と弟の運命は変わっていたはずです。純も、被害者なのではないかと。また、涼介の運命も、犯人を追い続ける人生にもならなかったはず。そう考えると、とても切なく思いますし、モヤモヤした感じにもなりました。純にとって、拓海として、逃げ続けることの方がどれだけ辛かった事でしょう。そんな中でも、梢を預り、素敵な娘に育てるという気持ちが、またまた、切なく感じてしまいました。そして、逃げ続ける純の前に現れる人々の、優しさが、胸に響きました。そんな中で気づく、「生かされた」という事。それは、純として、生きることだったのでしょうね。拓海から、純に戻った事で、純だけだなく、涼介も救われたような気がしました。「生かされている」という事の意味を、考えさせられました。

馬場純が弟を救う為に脱走したのに間に合わなかったシーンは悲しかったです。阪神大震災で渡辺拓海となり生きていくことにした後、弁護士になっていたのは良かったです。斎藤との出会いも偶然でしたが、そういう運命的なことも現実に起こりそうだと思いました。斎藤が父親の仇を執念深く追い続けているのも理解出来ました。様々な想いを持った人達が絡み合い、複雑な関係が表現されたドラマでした。梢が置き手紙を読んで泣いているシーンは感動しました。ラストは逮捕と言ってから馬場と斎藤が車で海辺を走っていましたが、手錠も掛けていない状況でもあり、逮捕して連行しているのでは無いだろうと解釈しました。

面白かったという表現は当てはまりませんでした。どちらかと言うと、生きていくという事の意味を考えさせられるものでした。人として親としてやり切ると言うか、私にはこの様な生き方は出来ないと思いますが、命のバトンを受け取り、成し遂げる。一生懸命生きていると、自身のことを思ったりしてましたが、このドラマを観てもう少しこれからの事向き合って考え直してみる時間も必要なのかも知れないと、考えさせられました。最後のシーンは感動と安堵感を感じました。

弟のために働くなんてとてもいいお兄ちゃんだと思います。少年院から脱走させるとかやばいと思います。でも弟のために脱走するなんて相当の決意があったのだと思います。周りの住民はとても怖いと思います。違うやつになりきって生きるなんてラッキーだと思います。とてもいい仲間に巡り合ったと思います。でも入れ替わりはよくありません。名前を変えて弁護士になるなんてすごいと思います。相当の努力したのだと思います。よく刑事さんは正体がわかったと思います。やはり殺された方は覚えててわかるのだろうと思います。憎しみがとても強いのでしょう。

事前情報は全く無しで、好きな俳優さん(吉沢亮さん)が出ていたので何気なく見始めましたが、いつのまにか引き込まれ気がつけば最後まであっという間に視聴していました。映画のようなドラマでした。震災後の混沌の中とはいえ、果たして主人公のように他人になりすまして弁護士にまで本当になれるのものなのか？という、ちょっと無理に思える設定とはいえ、まさにドラマチックで見応えがありました。見終わってみると、「特殊な血液型」というのが初めから最後までキーワードになっていたことに気づき、そのお陰で物語に統一感が出ていたのではないかと思いました。

主人公が、自分の犯してしまった罪を背負いながら、様々な人に支えられ、また、自身も様々な人を支えて生きていく姿を描かれていたのが面白かった。その中で、自分の犯した罪を追いかけ続ける警察官の存在があり、重要なポイントでストーリーに面白みを加えていた。この自身を追いかける警察官が殺されかけているところを助けるところなど、どんなときも誰かのために生きることを徹底している姿に、私自身の生き方を見直すきっかけを与えてくれたと感じる。