『トットちゃん!』見逃し動画の視聴方法&再放送日程【第1話から最終回まで】

松下さんが演じる朝の、周りの空気が読めなかったり周りに引かれてることにも気づかずに大声で歌い続けたりする姿がトットちゃんに通じるものがあって、「トットちゃんはお母さん似なんだな」と分かったのが面白かったです。松下さんが歌うと家具がちょっと揺れたり、コント一歩手前くらいの彼女の大袈裟な演技が可愛らしくて良いです。

実在する女性の半生を描いたドラマ、ということで、主人公の子供時代から始まるのかと思ったら、「産まれる前」どころか、「主人公の両親が出会う前」から物語が始まっているのが面白かったです。ピアノと歌のプロである松下奈緒さんが歌の下手な女学生役で、絶妙な下手さ加減で楽しそうに歌っているのがよかったです。

松下奈緒さんが演じるトットちゃんのお母さんが、歌うこと以外には関心を持たない様子が面白かったです。初回放送は、トットちゃんのお母さんとお父さんの出会いから始まりましたが、決して良い印象ではなかった出会いから、どんな経緯で2人が結ばれ、トットちゃんが誕生するのか期待が高まりました。

声楽を志して、ひたむきに東洋音楽学校で学ぶ朝の姿はとても清々しくて好感が持てます。黒柳の叱責にショックを受けながらも、練習の舞台に立つ姿や父に北海道に連れ帰られそうになるときも、あきらめそうになりながらも声楽に対する朝の変わらない情熱には目を見張るものがあり、応援したくなります。

山本耕史さんの名演技が見られて、とても満足しています。黒柳徹子さんのお父さんという会ったことがない人を演じているにもかかわらず、おそらく黒柳徹子さん本人も本当のお父さんに会っているような感覚なのではないかと思うほど、自然な感じで、山本耕史さんの演技力の高さを感じます。

はじめはまだ黒柳徹子が生まれていない、黒柳徹子の母、朝(ちょう)と父の出会いから描かれています。朝の父は医者で、大変厳格。まさに昭和の時代の日本男児。そんな父に政略結婚させられそうな朝。そんなとき、徹子の父となる人と出会い互いにひかれあいます。昭和初期という時代を反映する、女性をさげすんだ扱いがみられますが、朝はそのような中でも自分らしく生きようとしています。突拍子もないことをする朝ですが、それがなんだか元気をもらえます。また、これからの時代に必要な女性のパワーを感じるとともに、生まれてくる黒柳徹子という子供にも、これからの時代を担う女性という期待を抱かせる、とても元気で明るい作品です。

トットちゃんの、ご両親の出会いは、最低の印象でしたね。守綱さんは、一流のヴァイオリニスト。第九のコンサートの練習で、歌った朝さんは、声楽を学んでいたとは思えないほどの、ひどさ。これで、恋愛にいたるとは、なんて、思ってしまいました。出会いって面白いですね。また、朝さんのお母さんを演じている古村比呂さんは、昔、朝さんを演じていたのを、思い出しました。なんだか、不思議な感じでした。

出演者も豪華で、黒柳徹子さんのご両親役の松下奈緒さんと山本耕史さんの演技も素晴らしかったです。二人の出会いが、始めは徹子さんのお父さんの方は徹子さんのお母さんの歌声が酷くてマイナスイメージだったはずなのに、それがキッカケで気になる存在になっていく様子がすごくステキに描かれていて、話も面白かったです。

ドラマが始まったのに主役が出てきていないという点はなんだか新鮮でした。両親の出会いから追って、最後に物語が納まりきれず、駆け足になってしまわないかが少し心配です。作品全体から溢れているレトロ感が、なんだか癒やされるというか、ほんわかした気分で見ることができますね。

大変面白いドラマで今後に期待大です。同じ日にスタートしたNHKの朝ドラも見ましたが、断然「トットちゃん！」です。キャスティングが良い。両親役の山本耕史、松下奈緒は元々好感度があり、脇を固める役者も芸達者揃いです。まだ、トットちゃんが登場していないので、子役、大人役の演技が楽しみです。